Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
ななこ
野菊の墓
伊藤 左千夫
Lisez 野菊の墓 (ななこ) de 伊藤 左千夫 (いとうさちお) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 71 271 caractères · 144 écrans
省作は考えまいとしても、どうしても考えられてならない。考えてると人にそう思われてはいよいよ困るから、ことさらにらちもない話に口を出して、腹は沈んで口では浮いてるように振る舞ってるけれど、そういうことは省作の柄でないから、はたで見てるとよほどおかしい。
おとよさんがおれを思ってる、本当かしら、夫のあるおとよさんが、そんなことはありゃしまい。おとよさんは何もかもきちんとした人だ。おいらなどよりもよほど大人だもの。おれを思ってるなんてうそだ。うそだ、うそに違いない。第一本当であったらおとよさんは見掛けによらず不埒な女郎だ。いやそんなことがあるもんか。うそだ。うそだうそだと心で言うほど、思いあたる事が出てくる。おとよさんがおれに親切なは今度の稲刈りの時ばかりでない。成東の祭りの時にも考えればおかしかった。この間の日暮れなどもそうっと無花果を袂へ入れてくれた。そうそうこの前の稲刈りの時にもおれが鎌で手を切ったら、おとよさんは自分のかぶっていた手ぬぐいを惜しげもなく裂いて結わいてくれた。どうも思ってるのかもしれない。
考え出すと果てがない。省作は胸がおどって少し逆上せた。