Classiques japonais avec furigana
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ぎんのつえ
銀のつえ
小川 未明
Lisez 銀のつえ (ぎんのつえ) de 小川 未明 (おがわみめい) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 3 721 caractères · 8 écrans
彼は、さびしい、広い往来を歩いてきますと、ふいに、そこへわき出たように、一人のおじいさんがあらわれました。そのおじいさんは、白いひげをはやしていました。そして、手に光るつえを持っていました。そのつえは、銀で造られたように思われます。
おじいさんは、彼の歩いている行く手に立って、道をふさぎました。彼は、頭を上げて、おじいさんを黙ってながめたのです。
おじいさんは、なにか、ものをいいたげな顔をしながら、しばらく、口をつぐんで彼のようすを見守っていました。彼は、このおじいさんを見ると、なんとなく体じゅうが、ぞっとして、身の毛がよだちました。おじいさんの目は、氷のように冷たい光を放って、刺すように鋭かったからであります。
それよりも、彼は、このおじいさんを、かつてどこかで見たことがあるような気がしました。子供の時分にきいたお伽噺の中に出てきたおじいさんのようにも、また、なにかの本に描いてあった絵の中のおじいさんのようにも、また、彼が音楽を聞いている時分に、頭の中で空想したおじいさんのようにも、……であったかもしれなかったのでありました。
「おまえは、私を見たことがない。