Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
どうせんかいじへん
銅銭会事変 短編
国枝 史郎
Lisez 銅銭会事変 短編 (どうせんかいじへん) de 国枝 史郎 (くにえだしろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 106 745 caractères · 216 écrans
下ろされた処に屋敷があった。黒板塀に門があって、八重桜の花が咲いていたっけ。そこで休憩したものさ。一杯お茶を貰ったが、ひどく咽喉が乾いていたので、途方途徹もなくうまかった。そこでまた駕籠へ乗せられたものさ。今度は立派な駕籠だった。大名の乗る駕籠だった。そうして武士どもが三十人も、駕籠のまわりを警護してくれた。でようやく安心したものさ。着いた所が越中の屋敷だ。あの真面目の越中めが、いよいよ真面目の顔をして『上様ようこそ渡らせられました。いざいざ奥へお通り遊ばせ』こういった時にはおれは怒った。
『越中! お前の指金だな!』すると越中めこういいおった。『上様のお命をお助けしたく、お連れ致しましてございます』とな。そこでおれは怒鳴ってやった。『誰かこのおれを殺そうとするのか?』
『はい上様の寵臣が、ある結社を味方とし、上様を狙っておりますので』
『それでお前が助けたというのか?』
『毒を制するに毒をもってし、ある六人の悪漢を手なずけ、お連れ申しましてございます』――で、おれは黙ってしまった。そうして奥座敷へ通って行った。そこに彦太郎がいるじゃあないか。三河風土記を読んでくれた、近習の中山彦太郎がな。