Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
にしきぎ
錦木
宮本 百合子
Lisez 錦木 (にしきぎ) de 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 52 481 caractères · 103 écrans
私は今なこうにも涙はかれ悲しもうにも心が乱れて私はもう死ぬばかりになったんです、今、私は死ぬ事をどんなによろこんで居ましょう、私はよろこんでるんです、貴女のために死ぬことを」
涙を一杯ためて心のままを女君に云った光君は恐れる様に机の上に出た女君の手をとろうとした。だまってしずかに人形の様にして居た女君は光君の手をふりはなすと一時に卯の花の栢をスルリとぬいで生絹のまま袴を歩みしだいて唐びつの間をすりぬけて几帳のかげに見えなくなってしまった。取りのこされて気の遠くなった様にその行末を見まもって青ざめてふるえて居る男君はどんなに悲しかったのだろう。
「私の最後の望も絶えた、私の死ぬ時が来た、もう彼の人を再び見る時はないだろう」
主のない文机にぬけがらの様になった体をよせると目の前には白いかみに美くしく手習がされてわきには歌も沢山綴じられて居る、それをじーと見て居た光君の目からは今更の様に涙が止度もなく流れ出した。涙にぬれたかおを白い紙の上にふせて気の遠くなるほど泣いて泣いて泣きぬいた男君は、
「こんなにないても自分の涙の泉はなぜかれてしまわないだろう」と不思議に思われた。