Classiques japonais avec furigana
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くわとかまのごがつ
鍬と鎌の五月
黒島 伝治
Lisez 鍬と鎌の五月 (くわとかまのごがつ) de 黒島 伝治 (くろしまでんじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 2 911 caractères · 6 écrans
農民の五月祭を書けという話である。
ところが、僕は、まだ、それを見たことがない。昨年、山陰地方で行われたという、××君の手紙である。それが、どういう風だったか、僕はよく知らない。
そこで困った。
全然知らんことや、無かったことは、書くにも書きようがない。
本当らしく、空想で、でっち上げたところで、そんなものには三文の値打ちも有りゃしない。
で、以下は、労働祭のことではない。五月一日に農村であったことである。
香川県は、全国で最も弾圧のひどい土地だ。第一回の普選に大山さんが立候補した。その時、強力だった農民組合が叩きつぶされた。そのまゝとなっている。
なんにもしない、人間を、一ツの警察から、次の警察へ、次の警察から、又その次の警察へ、盥廻しに拘留して、体重が二貫目も三貫目も減ってしまった例がいくらでもある。会合が許されない。僕の友人は、労働歌を歌っていて、ただ、それだけで一年間尾行につき纒われた。
ちょっと、郷里の家へ帰っているともう、スパイが、嗅ぎつけて、家のそばに張りこんでいる。出て歩けば尾行がついて来る。それが結婚のことで帰っていてもそうなのである。