Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ながさきのいちべつ

長崎の一瞥

宮本 百合子

Lisez 長崎の一瞥 (ながさきのいちべつ) de 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 6 773 caractères · 14 écrans

Aozora Bunko

市が現在は、寧ろ歴史的背景によって存在して居るような状態でさえあるのに。各箇人としては充分に資料も持って居るのに、其を集めて博物館とする迄に到らない原因、確に永山氏の説かれる通り、長崎人の伝統的な気質――会所からの配当金で楽々生活して居た時代から、あくせく知らず――が重大な関係をもって居るだろう。その上、長崎人は、鹿児島の人々などと違い、自分達の祖先の生活に流れこんだ外国文明に、郷土文化との対立や文明史的の客観を持ち難い程、心持の上でコスモポリタンになって居るのではあるまいか。生活を来るがまま、流るるがまま、都市として持つ古さの自覚さえ忘れて、生きて居るのではあるまいか。或、真似がたい鷹揚さと云えないこともない。京都や奈良が、決して自分の年功を忘れない老人のようなのと、興味ある対照と思う。

午後になっても、Y切なく、外出覚つかない。番頭、頼山陽の書など見せてくれる。折々、港の景色をぼやかして、霧雨がする。お喋りの間に、長崎の女性評が出た。

「ここの女の人は、鹿児島の女と随分違うわね」

「違う、違う。鹿児島の女の人、何だか皆頬ぺたなんか艷々して居るようで、活々して、笑いんぼらしいけれど、長崎の女の人はどっちかというと――さあ何て云うのか――」