Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
いんじゅう
陰獣
江戸川 乱歩
Lisez 陰獣 (いんじゅう) de 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 66 968 caractères · 131 écrans
「ええ、それに、昨夜妙なことがありましたの」
「妙なことって」
「先生の御注意で、寝室を洋館の二階に移しましたでしょう。これで、もう覗かれる心配はないと安心していたのですけれど、やっぱりあの人、覗いていた様ですの」
「どこからです」
「ガラス窓の外から」そして、静子はその時の怖かったことを思出した様に、目を大きく見開いて、ポツリポツリと話すのであった。「昨夜は十二時頃、ベッドに入ったのは入ったのですけれど、主人が帰らないものですから、心配で心配で、それに天井の高い洋室にたった一人でやすんでいますのが、怖くなって来て、妙に部屋の隅々が眺められるのです。窓のブラインドが、一つ丈けおり切っていないで、一尺ばかり下があいているので、そこから真暗な外の見えているのが、もう怖くって、怖いと思えば、余計その方へ眼が行って、しまいには、そこのガラスの向うに、ボンヤリ人の顔が見えて来るじゃありませんか」
「幻影じゃなかったのですか」
「少しの間で、直ぐ消えてしまいましたけれど、今でも私、見違いやなんかではなかったと思っていますわ。モジャモジャした髪の毛をガラスにピッタリくっつけて、うつむき気味になって、上目使いにじっと私の方を睨んでいたのが、まだ見える様ですわ」