Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
いんじゅう
陰獣
江戸川 乱歩
Lisez 陰獣 (いんじゅう) de 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 66 968 caractères · 131 écrans
打開けて云うと、恥しいことだけれど、私は、静子の夫の小山田六郎氏が、年も静子よりは余程とっていた上に、その年よりも老けて見える方で、頭などもすっかりはげ上っている様な人だという事を、苦心をして探り出していたのだった。
それが、今年の二月頃になって、静子の手紙に妙な所が見え始めた。彼女は何かしら非常に怖がっている様に感じられた。
「この頃大変心配なことが起りまして、夜も寝覚め勝ちでございます」
彼女はある手紙にこんなことを書いた。文言は簡単であったけれど、その文言の裏に、手紙全体に、恐怖に戦いている彼女の姿が、まざまざと見える様だった。
「先生は同じ探偵作家でいらっしゃる大江春泥という方と、若しや御友達ではございませんでしょうか。その方の御住所が御分りでしたら御教え下さいませんでしょうか」
ある時の手紙にはこんなことが書いてあった。無論私は大江春泥の作品はよく知っていたが、春泥という男が非常な人嫌いで、作家の会合などにも一度も顔を出さなかったので、個人的なつき合いはなかった。それに、彼は昨年のなか頃からぱったり筆をとらなくなって、どこへ引越してしまったか、住所さえ分らないと云う噂を聞いていた。