Classiques japonais avec furigana
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かげろうざ
陽炎座
泉 鏡花
Lisez 陽炎座 (かげろうざ) de 泉 鏡花 (いずみきょうか) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 33 381 caractères · 67 écrans
その方へ、ひょこひょこ行く。
ト頬被りは、じろりと見遣って、
「ざまあ見ろ、巫女の宰取、活きた兄哥の魂が分るかい。へッ、」と肩をしゃくりながら、ぶらりと見物の群を離れた。
ついでに言おう、人間を挟みそうに、籠と竹箸を構えた薄気味の悪い、黙然の屑屋は、古女房が、そっち側の二人に、縁台を進めた時、ギロリと踏台の横穴を覗いたが、それ切りフイと居なくなった。……
いま、腰を掛けた踏台の中には、ト松崎が見ても一枚の屑も無い。
十
「おい、出て来ねえな、おお、大入道、出じゃねえか、遅いなあ。」
少々舞台に間が明いて、魅まれたなりの饂飩小僧は、てれた顔で、……幕越しに楽屋を呼んだ。
幕の端から、以前の青月代が、黒坊の気か、俯向けに仮髪ばかりを覗かせた。が、そこの絵の、狐の面が抜出したとも見えるし、古綿の黒雲から、新粉細工の三日月が覗くとも視められる。
「まだじゃねえか、まだお前、その行燈がかがみにならねえよ……科が抜けてるぜ、早く演んねえな。」
と云って、すぽりと引込む。――はてな、行燈が、かがみに化ける……と松崎は地の凸凹する蹈台の腰を乗出す。
同じ思いか、面影も映しそうに、美しい女は凝と視た。