Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

しょうじのらくがき

障子の落書

寺田 寅彦

Lisez 障子の落書 (しょうじのらくがき) de 寺田 寅彦 (てらだとらひこ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 3 170 caractères · 7 écrans

Aozora Bunko

西洋人を乗せた自動車がけたたましく馳け抜ける向うから紙細工の菊を帽子に挿した手代らしい二、三人連れの自転車が来る。手に手に紅葉の枝をさげた女学生の一群が目につく。博覧会の跡は大半取り崩されているが、もとの一号館から四号館の辺は、閉鎖したままで残っている。壁はしみに汚れ、明り取りの窓硝子はところどころ破れ落ちかかって煤けている。おおかた葉をふるうた桜の根には取りくずした木材が乱雑に積み上げられて、壁土が白く散らばった上には落葉が乱れている。模造日本橋は跡方もなくなって両側の土堤も半ば崩れたのを子供等が駆け上り駆け下りて遊んでいる。観覧車も今は闃として鉄骨のペンキも剥げて赤が吹き、土台のたたきは破れこぼちてコンクリートの砂利が喰み出している。殺風景と云うよりはただ何となくそぞろに荒れ果てた景色である。

平一は今年の夏妹夫婦と姪とで夜の会場へ遊びに来た事があった。姪の望むままに一同で観覧車に乗り高い杉の梢の夜風に吹かれた。あの時の楽隊の騒がしい喇叭のはやしはまだ耳に残っている。そこらの氷店へはいって休んだ時には、森の中にあふるる人影がちらついて、赤い灯や青い旗を吹く風も涼しく、妹婿がいつもの地味な浴衣をくつろげ姪にからかいながらラムネの玉を抜いていた姿がありあり浮ぶ。