Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ざっきょかぞく

雑居家族

壺井 栄

Lisez 雑居家族 (ざっきょかぞく) de 壺井 栄 (つぼいさかえ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 140 106 caractères · 283 écrans

Aozora Bunko

おこらないからさ。」

それでおさまった。外はもう宵やみがせまっていた。安江はふと、いつかもやはりこの時刻だったことを思い出し、あの日以来よりつかぬ兵六さんのことを思いうかべていると、ピストルを一ちょうとり出した夏樹は、それを彼女にさし出しながら、

「も一つあるんだよ。兵六さんが、くれたんだよ。」

「ほんと?」

驚く安江を夏樹は更におどろかした。

「浜ちゃんのね、トランクね、兵六さんがもってったよ。」

「ええっ ほんとかね。」

「ほんとさ。ぼくもううそいわないよ。おかあちゃん、おこらないからさ。」

くさむらはこの前のときの何倍かのかさでおい茂っていた。夏樹は更にもう一つのピストルをもさぐり出し、

「これ、パパン パンて鳴るやつだよ。でも、川へ捨てるんだね。」

以前二度ばかり川へ捨てにいかされたのにならうのかという。捨てたピストルは、氷川さまのお祭に、もらった小づかいで買ったものだった。

「いいよ。きょうはもってらっしゃい。せっかく兵六さんがくれたんだもん。」

夏樹に笑顔を返しながら、安江は自分のささやかな抵抗などではとうていふせぎきれないものに、押しながされそうな気がした。