Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ざっきょかぞく

雑居家族

壺井 栄

Lisez 雑居家族 (ざっきょかぞく) de 壺井 栄 (つぼいさかえ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 140 106 caractères · 283 écrans

Aozora Bunko

」

さっさと帰りかけた。せめてすしでもとるからと兵六夫人は引きとめようとしたが、それもふりきって出てゆくと、追っかけてきて小さな紙包みをおしめ袋の中へ突っ込んだ。電車をおりてからあけてみると、人絹の半えりだった。安江はふん、というように口をとがらせた。

「ねえ、文吉つぁん、きょうからこの子のこと、わたしが産んだ子だと思ってね。」

「どういう意味かね。」

「わたしが産んだ子なら、だれもミルク代はくれないってこと。」

「ふーん。そのかわり乳が出るだろう。」

「母親は栄養不良でオッパイが出ないのよ。」

「へーえ。いろいろ都合がいいね。」

「そうなの。ふところ都合は悪いけれど、わたしもかせぐ。」

こんな次第で音枝は安江たちの家の子になった。生後一年まではだまっていても二十円ずつは送ってきたが、それを過ぎると乳離れしたと思ったのかとだえてしまった。それでもはじめのうちは盆暮ごとに兵六さんの妻がやってきて、音枝の着るものを一枚と、安江には店の品らしい帯じめだの化粧水などを添えてあいさつにきたが、それが長坂からのつけ届けなのかどうかはお互いに聞きもいいもしなかった。それも三年目ぐらいからはこなくなった。