Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
エス・オー・エス・ボーイ
難船小僧
夢野 久作
Lisez 難船小僧 (エス・オー・エス・ボーイ) de 夢野 久作 (ゆめのきゅうさく) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 21 169 caractères · 43 écrans
船長が他所事のようにネービー・カットの煙を吹いた。
「ムフムフ。変ったにしたところが、一時間十八節の船を押し流すような海流が、地球表面上に発生し得る理由はないてや」
と飽くまでも科学者らしく嘯いた。俺もエンチャントレスに火を付けながら首肯いた。
「とにかく俺のせいじゃないよ。石炭はたしかに減っているんだからな」
一等運転手も眼を白くしてコックリと首肯いた。同時に一層青白くなりながら白い唇を動かした。
「……何か……あの小僧の持物でも……船に……残っているんじゃ……ないでしょうか」
船長は片目をつむって、唇を歪めて冷笑した。しかし一等運転手は真顔になって、真剣に腰を屈めながら、船長室内のそこ、ここを覗きまわり初めた。おしまいには船長と俺が腰をかけている寝台までも抱え上げて覗いたが、寝台の下には独逸や仏蘭西の科学雑誌が一パイに詰まっているキリであった。ボーイのスリッパさえ発見出来なかった。
とうとう船全体が、動かす事の出来ない迷信に囚われて、スッカリ震え上がらせられてしまった。乗組員の眼付は皆オドオドと震えていた。
……船が動かない……S・O・S小僧の祟りだ……。