Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

エス・オー・エス・ボーイ

難船小僧

夢野 久作

Lisez 難船小僧 (エス・オー・エス・ボーイ) de 夢野 久作 (ゆめのきゅうさく) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 21 169 caractères · 43 écrans

Aozora Bunko

「南無阿弥陀仏ッ……」

と遠くへ投げた。

それは兼の一生懸命の震え上った念仏らしかったが、とてもその恰好が滑稽だったので、見ていた俺はたった一人で腹を抱えさせられた。

アラスカ丸は、それから何の故障もなくスラスラと晩香坡へ着いた。

同じ波の上を、同じスピードで……馬鹿馬鹿しい話だが、まったくなんだ。

ところで話はこれからなんだ。

船長の横顔は見れば見るほど人間らしい感じがなくなって来るんだ。

骸骨を渋紙で貼り固めてワニスで塗り上げたような黒光りする凸額の奥に、硝子玉じみたギラギラする眼球が二個コビリ付いている。それがマドロス煙管を横一文字にギューと啣えたまま、船橋の欄干に両肱を凭たせて、青い青い空の下を凝視しているんだ。その乾涸びた、固定した視線の一直線上に、雪で真白になった晩香坡の桟橋がある。その向う一面に美しい燈火がズラリと並んでいようという……ところまで、やっと漕ぎ付けたんだがね。文字通りに……。

その桟橋の上に群がっている人間は、五日ほど遅れて着いたアラスカ丸をどうしたのかと気づかって、待ちかねていた連中なんだ。

「S・O・Sの野郎……骸骨になってまで祟りやがったんだナ……」