Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

あめのやまぶき

雨の山吹

山本 周五郎

Lisez 雨の山吹 (あめのやまぶき) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 16 433 caractères · 33 écrans

Aozora Bunko

五歳のとき孤児になり、葛西家にひきとられてから、御両親にも兄さまたちにも、しんじつ肉親のように可愛がられて来た。その御恩と義理を思えば耐え難いが、縁談はもう断われなくなったし、とつぐわけにもゆかず、身の処置に窮したので、死ぬ決心をした。御病床の母上や兄上さまたちはさぞお怒りであろう、西牧という方にも相済まないが、ほかに思案がなかった、愚かなやつだと思ってゆるして頂きたい。一日も早く母上が御恢復なさるよう、また御一家の幸福と御繁昌を祈っている。――つまり遺書であった。

「いつのことですか、これは」

又三郎は兄を見た。それから封書の裏に、小松町柊屋と書いてあるのを読んだ。

「ここに小松町とありますが」

「文代が来る、聞かれては困るんだ」

兵庫が云った。又三郎は手紙を巻いた。あによめの文代が、茶を持ってはいって来た。嫁して五年になるが、こんど初めて妊娠し、帯の祝いをしたばかりである。健康そうに肥えて、膚も艶やかに色づき、眼にはおちつきと満足感があふれているようにみえた。……彼女はあいそよく三浦のようすを訊き、さも済まなそうに云った。

「御用も多いでしょうに、とんだ事をお願いして申し訳ございません」