Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

あめのやまぶき

雨の山吹

山本 周五郎

Lisez 雨の山吹 (あめのやまぶき) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 16 433 caractères · 33 écrans

Aozora Bunko

又三郎は立場へ馬を預け、かいばを頼んでから、帳場で訊き、駕籠かきや馬子たちに訊いてみた。

――年は二十一であるが若くみえる。背丈は五尺一寸ばかり、まる顔で色が白く、左の眼の下にかなり大きな黒子がある。武家そだちの娘一人。

五軒ある宿屋や、街道の茶店なども、こういって訊いて歩いた。顔かたちや年などを云うたびに、又三郎は胸が痛くなり、涙がこぼれそうになった。三浦家へ婿にいってから半年、汝生とは暫く会っていない、――まる顔の白いふっくりした頬、泣き黒子など、思いだしては挙げていると、姿かたちばかりでなく、やや鼻にかかる声や、あまえた話しぶりや、いつまでも子供らしかった表情まで、まざまざと眼にうかんできて、どうしようもないほど哀憐のおもいを唆られた。

おそい昼食を済ませてから、再び馬で、鶴来の町までゆき、また引返して川を越え、松任のあたりまで戻ってみた。しかしそれらしい者を見かけた、という程度の消息も得られなかった。一本街道のことで往来も多いが、娘一人の旅というのは稀だから、見た者があれば覚えている筈である。

――もうだめだろうか。……いや諦めるには早い、ことによると思いかえして、どこかの宿で途方にくれているかもしれない。