Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ゆきのたけしとうげ

雪の武石峠

別所 梅之助

Lisez 雪の武石峠 (ゆきのたけしとうげ) de 別所 梅之助 (べっしょうめのすけ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 5 818 caractères · 12 écrans

Aozora Bunko

甲斐の山々

小仏こえて、はや私たちは雪の国にはいっていた。闇にもしるき白雪の上に、光が時に投げられる。ぎっしり詰った三等車に眠られぬまま、スチームに曇るガラス窓から、見えぬ外の面を窺ったり、乗合と一、二の言を交しなどする。青島がえりの砲兵たち、甲斐出身の予後備らしきが、意気あがっての手柄話、英兵の弱さったらお話にならないまで、声高に談るに、私もすこしくうけ答えした。

甲府を過ぎて、わが来し方の東の空うすく禿げゆき、薄靄、紫に、紅にただようかたえに、富士はおぐらく、柔かく浮いていた。高き金峰山は定かならねど、茅が岳、金が岳一帯の近山は、釜無川の低地をまえに、仙女いますらん島にも似たる姿、薄紫の色、わが夢の色。ゆくてに高きは、曾遊の八ヶ岳――その赤岳、横岳、硫黄岳以下、銀甲つけて、そそり立つ。空は次第に晴れて山々も鮮かに現れる。左の窓からは、地蔵、鳳凰、駒の三山、あれよ、これよと、M君がさす。ああ駒か。そのいかつい肩は、旭日をうけて、矢のような光を放つ。銀、そういう底ぐもった色でない。白金の線もて編んだあのよろい、あの光、あの目を射る光の中に、私は包まれたいのだ。