Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
ゆき
雪
楠田 匡介
Lisez 雪 (ゆき) de 楠田 匡介 (くすだきょうすけ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 24 792 caractères · 50 écrans
て型にしていやがるんだ」
と久保田検事はいまいまし相に吐き出すように言った。
「本庁におれば、鑑識課って裏づけがあるので、私達も動けるんですが……」
「何しろ因業な爺さんで、誰一人として好感をもっている者はない。細君でさえも困っているらしい。洗ってみなければ判らないが、金銭なんかでも、相当他人を泣かしているんじゃないかと思っている……その早川久三老人が殺された、その夜はひどい寒さでね……」
そういって古市署長はその顛末を詳細に話した。
樺太の冬の朝は遅い。その日も九時になってやっと陽がさしかけて来た。
いつも、夜の明けないうちからおきだして口うるさい久三老人も、今日は珍しくおきた気配がなかった。
十時近くなっても茶の間に姿を現わさないので、第一番に不審を抱いた細君が、「どうしたのでしょう?」とひとり言の様に、朝飯の給仕の手を休めてつぶやいた。食卓にむかっていた五十嵐も、伊東も、
「ほんとうに珍しいんでしょう、朝飯にでて来ないなんて……」
「ええ……望月さん、旦那を見なかった?」と細君の常は敷居越しに声をかけた。
「いいえ、今朝は、お見かけいたしません……書庫じゃありませんか?」