Classiques japonais avec furigana
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うんなんしゅびへい
雲南守備兵
木村 荘十
Lisez 雲南守備兵 (うんなんしゅびへい) de 木村 荘十 (きむらそうじゅう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 37 859 caractères · 76 écrans
が、孫永才は、もう護衛の私兵に包囲されていると同然だった。
それに時々、頭の上で唸る西蔵犬らしい動物の声に胆を冷した。
“成功しても命はないかも知れぬ”
彼は何時か真暗になった床下で、母と、幼馴染の小孩のことを思った。
“だが二人に会えずに死ぬのも運だ。どうせ死ぬなら男らしく死ね”
彼はそう思うと、匕首を出しいいように入れ直し、手探りで拳銃の弾丸を調べて、見廻りの足音の過ぎるのと一緒に、床下を這い出そうとした。が、彼はもう一歩という所で大地にひれ伏した。凄まじい銃声だった。
それと同時に邸内は騒然として、襲撃だ、襲撃だ、という叫びと共に立騒ぐ物音が表の方へ流れて、応射し始めたらしく銃声は益々激しくなった。孫は何が何だか分らなかった。が、本能的に、今だっ、と床下から飛び出して、邸内に駈け上ると、見当をつけた居間の方へ飛び込んで行った。蹴放すように開けた扉の向うに、背の高い白人の姿が見えた。デューランだ。彼は、孫を見ると驚愕の瞳をひらいて、開けっ放しのスーツケースの中へ手を突込んだ。
「野郎」
孫は、いきなり引金を引いたが、銃声と一緒に真黒なものが飛びかかったかと思うと、右の腕に灼熱した鉄を刺されたような痛さを感じてよろめいた。