Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

でんしゃていりゅうじょう

電車停留場

豊島 与志雄

Lisez 電車停留場 (でんしゃていりゅうじょう) de 豊島 与志雄 (とよしまよしお) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 15 082 caractères · 31 écrans

Aozora Bunko

それがせめてもの腹癒せだった。相手が逃げようとすればするほど、彼はしつこく絡んでいった。

「本署へ同行を拒む以上は、君自身の心に後ろ暗いことがあるのだろう。後ろ暗いことがなければ、一緒に来るがいい。兎に角君は、公衆の面前で暴行を働いたのだから、このまま見過しては治安を害する。警官としての僕の職分も全うしないことになるのだ。君に罪がなければ即時に放免してやる。一緒に来給え。」

高倉玄蔵はじっと唇をむすんで、びくとも動かなかった。その肥大な体躯の中で、何等かの決意に迷っているらしかった。その様子を眺めて、沼田英吉は何かしらぎくりとしたが、さあらぬ風に嘯いて、相手の言葉を待受けた。

三秒四秒と、緊張した沈黙が引続いた。群集は益々ふえて、片唾をのんで待受けていた。後ろの方でひそひそと囁く声が、その不安な空気を更に濃厚にした。

然るに、意外なことで沈黙が破られた。群集の中から、パナマ帽を目深に被り、仕立下しの薄茶色の洋服をつけ、握り太のステッキを手にした、可なりの年配の男が、つかつかと出て来て、二人の前に立止った。

「もうどちらもいい加減にしたらどうだい。おとなしく別れてしまった方が得策じゃあないか。