Classiques japonais avec furigana
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れいこんだいじゅうごうのひみつ
霊魂第十号の秘密
海野 十三
Lisez 霊魂第十号の秘密 (れいこんだいじゅうごうのひみつ) de 海野 十三 (うんのじゅうざ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 43 100 caractères · 86 écrans
親子は連れ立って、なつかしいわが家にはいった。それは日が暮れて間もなくのことであった。
隆夫の母は、おどろきとよろこびで、気絶しそうになったくらいだ。しかしそれは、隆夫を自分のふところへとりもどした喜びではなくて、もはや亡くなったものとあきらめていた夫の治明が、目の前に姿をあらわしたからであった。
「まあ、わたし、夢を見ているのではないかしら……」
「夢ではないよ。ほら、わしはこのとおりぴんぴんしている。苦労を重ねて、やっと戻ってきたよ」
「ほんとですね。あなたは、ほんとに生きていらっしゃる。ああ、なんというありがたいことでしょう。神さまのお護りです」
「隆夫は、どうしているね」
治明博士は、かねて考えておいた段取のとおり、ここで重大なる質問を発した。
「ああ、隆夫……隆夫でございますが……」
と、母親はまっ青になって、よろめいた。治明博士は、すばやく手を貸した。
「しっかりおしなさい。隆夫はどうかしたのですか」
「それが、あなた……」
「まさか隆夫は死にやすまいな」
治明博士の質問が、うしろの闇の中に立っている隆夫の胸にどきんとひびいた。もし死んでいたら、隆夫は再び自分の肉体を手にいれる機会を、永久に失うわけだ。