Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

きりのばんしゃ

霧の蕃社

中村 地平

Lisez 霧の蕃社 (きりのばんしゃ) de 中村 地平 (なかむらちへい) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 28 389 caractères · 57 écrans

Aozora Bunko

丁度、その半ば頃に頭目モーナルーダオの住いがあった。やすむのには頃合いである。蕃人たちは往き帰りに、その家にたちよる。自然、赤く腫れあがっている肩を見せ、賦役に対する不満を語る、ということになるのである。

もとよりモーナルーダオは妹テワスのこと以来、内地人に対する反逆の心を忘れたことはない。それが今改めて同じい種族の仲間から不満を聞かされては、いっそうその心は募るばかりである。無口なルーダオは彼等の談話には黙々として返事もしなかったが、深く期するところがあったのである。

その秋――

霧社は珍しい豊作であった。粟祭りが賑やかに行われた。粟酒をつくっての、酒もりも各戸でいくたびか行われた。そして、そういう酒もりが開かれるたびに、若者たちが聞かされるのは、老人たちの酒の機嫌での気焔であった。

「むかし、俺たちが若かった頃は……」

これは内地の田舎などでよく見かける風景である。しかしこの場合、気焔は結局首をいくつきった、という自慢話に落ちるから危険である。老人たちに首きりを煽動する意思があったわけではない。しかし、結果的には同じであった。そういう自慢話を聞いたのち、若者たちは口に出してこそ言わないけれど、腹のなかでは考えているのである。