Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

あおいひも

青い紐

田中 貢太郎

Lisez 青い紐 (あおいひも) de 田中 貢太郎 (たなかこうたろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 5 592 caractères · 11 écrans

Aozora Bunko

「ありますわ、私いただかないから、貰ったのをそのままにしてあるわ」

女は顔をあげて右の鴨居の方を見た。そこには小さな棚があってボール箱もあれば木箱も見えていた。

「味はどうですか、青い色をした酒よ」

女がそう云って起とうとするので、哲郎は絡んでいた指を解いた。と、女は起って棚の黄ろなボール箱に手をやろうとしたが達かなかった。

「執ろう、飲む者が執りましょう」

哲郎は起って女と並んだ時、爪立ちを止めた女の体がもったりと凭れて来た。哲郎はその女の体を支えながらボール箱に手をやった。と、今まで気が注かなかった天井から垂れている青いワナになった紐が、ちらと眼に注くとともにそれがふわりと首に纏わった。彼は左の手でそれを払いのけようとしたところで、凭れかかって来た女の体に石のような力が加わって彼の体を崩してしまった。彼は唸り声を立てた。

哲郎が意識を回復した時には、微暗い枕頭に二人の男が立っていた。

「お前さんは何んだね、ここへ何しに来たのだね」

哲郎は女に伴れられて下の人に知らさずにそっと来ていることに気が注いた。彼はこうなれば女に弁解して貰うより他に手段がないと思った。