Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
あおバスのおんな
青バスの女
辰野 九紫
Lisez 青バスの女 (あおバスのおんな) de 辰野 九紫 (たつのきゅうし) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 10 918 caractères · 22 écrans
その新看板に、よせばよいのに、何の足しにもならないが、不思議に何店でもやっている通り、羅馬綴りでSAKACHITAと、店名が入れてある。さはさり乍ら、この店主、姓をサカチタとは申さで、坂下であるのを看過出来ないのが、僕の性分である。といって、のこのこその店へ入り込んで、天下の重大事である如く、誤記を指摘訂正してやる勇気をも有たぬ性分でもある。そこで、全国一斉に、「番地札を掲げましょう」の国家動員で、近頃大に助かる。新らしき床屋の番地を、心底深く牢記して呑み友達の家で、酒盃を挙ぐる間に忘れもせず、自家へ帰ってから、CとSの書損いを、ハガキで注意してやるのである。――どうもこの場合、住所姓名を書いてやると、兎角日本人という奴の国民性が然らしむるのか、無料理髪券でも謎をかけたように思われ勝ちな気がして、本姓を名乗る気になれないのは、敢て僕ばかりではあるまい。
そうして置いて、頃合いを計って、府下大井町へ出掛けるのは、呑み友達の家が終点ではあるが、酒よりも先ず床屋の看板が、果して訂正されているか否かを確かめるのが楽しみなのである。案の定、Cの字が一壁、ペンキで塗りつぶされて、Sの字が、ちと他の文字と釣合いを失いながらも、盛り上っているのを見ると、僕は無上に悦しくなって、つかつかとその店へ入って、僕自身の理髪日を