Classiques japonais avec furigana
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せいねんそうとえいざんのろうや
青年僧と叡山の老爺
若山 牧水
Lisez 青年僧と叡山の老爺 (せいねんそうとえいざんのろうや) de 若山 牧水 (わかやまぼくすい) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 5 808 caractères · 12 écrans
空にもいくらか青いところが見えて来た。では一廻りして来るから何卒お頼みすると言いおいて私は茶店を出た。
その頼みは叶ったのであった。叶って私の泊る事になった寺は殆んど廃寺にちかい荒寺で、住職もあるにはあるのだが麓の寺とかけ持ちで殆んどこちらに登って来ることもなく、平常はただ年寄った寺男が一人居るだけであった。それだけに静寂無上、実に好ましい十日ばかりを私は深い木立の中の荒寺で過すことが出来た。
その寺男の爺というのがひどく酒ずきで、家倉地面から女房子供まで酒に代えてしまい、今では木像の朽ちたが如くになってその古寺に坐っているのであった。耳も殆んど聾であった。が、同じ酒ずきの私にはいい相手であった。毎日酒の飲める様になった老爺の喜びはまた格別であった。旦那が見えてからお前すっかり気が若くなったじアないか、と峠茶屋の爺やにひやかされるほど、彼はいそいそとなって来た。峠茶屋の爺やもまたそれが嫌いでなかった。
私の滞在の日が尽きて明日はいよいよ下山しなくてはならぬという夜、私は峠茶屋の爺やをも招いてお寺の古びた大きな座敷で最後の盃を交し合った。また前の文章の続きを此処に引こう。