Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

せいしゅんのぎゃくせつ

青春の逆説

織田 作之助

Lisez 青春の逆説 (せいしゅんのぎゃくせつ) de 織田 作之助 (おださくのすけ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 162 593 caractères · 325 écrans

Aozora Bunko

さすが佐古だと、その図太さには歯の立たぬ感じであった。

問題の女優として宣伝されていたそのポスター価値を考えてみれば、なるほど一応は思いつけぬこともなかったが、しかしそれだけに一層なにか手の出せぬ感じだった。佐古めやりくさったとは、所詮あとの嘆きだった。一日の報酬何百円だと、そんな金ずくめの話なら、二の足も踏まなかったが、ともかく法廷にも立ち女優もやめねばならないほどの罪を犯した女ではないか。監督との醜関係の後始末を闇に葬ったと、まだ世間の記憶には血なまぐさかった。無罪にはなったというものの、やはり当分は世間へ出ることは憚るべき身である。事実機敏な映画会社でも彼女を引っこ抜くのは、もう少しあとでと思っていたくらいである。そんな村口多鶴子を引っ張り出そうとは、だから抜目のない業者もさすがに憚ったのだ。それを佐古は平気でやったのだ。いまいましいほどの図太い神経だと、業者もあきれたのも無理はなかった。

図太い神経だけではなかった。執拗な押しの強さもあった。細かい頭の働きもあった。それでなければ、いくらなんでも村口多鶴子にうんといわすことが出来なかった筈である。