Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
あおくさ
青草
十一谷 義三郎
Lisez 青草 (あおくさ) de 十一谷 義三郎 (じゅういちやぎさぶろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 6 645 caractères · 14 écrans
ある晩、村の社の祭礼で、兄を真中に、歌津子と弟とが両側に並んでお参りをした。帰りは、紙鉄砲や折紙細工の批評や、焔の上に手を翳して平気でいた魔術師の噂さなどで、彼らはそれぞれ興奮していた。
人通りの少いところへ来ると、兄は先きにたってピイピイと口笛を鳴らした。弟は大声で軍歌を唄った。歌津子は空を仰いだり彼らの歌に耳をすまして微笑んだり、今買った京人形を愛しんだりして歩いていた。
しばらくゆくと、彼女がふいと兄のからだに抱きついて彼を引き戻した。闇がりから大きな馬の顔が現れた。
「ちっとも見えないんだ。」と兄が言った。彼女はしっかりと兄の手を握って息を喘ませた。
それを見ると弟はきゅうに口を緘んで、彼女を放っておいてどんどん先へいった。弟の胸の中に不満と淋しさが膨れ上っていたのだ。
その夜、床にはいってから、弟は夜着の中でいつまでも眼をっていた。そして彼は、隣りに眠っている兄の穏かな寝息きを聞くと、こっそり起き上って、枕もとの兄の黒眼鏡を持って縁側に出た。そして、廁の側の雨戸を開けて、星の輝いてる空に向って、力限り抛り上げた。それから床に戻って、いつか教会で聞いた神様の名を幾度も口の中で繰り返えした。