Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
せいあどうきだん
青蛙堂鬼談
岡本 綺堂
Lisez 青蛙堂鬼談 (せいあどうきだん) de 岡本 綺堂 (おかもときどう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 121 438 caractères · 238 écrans
」
座頭はしばらく考えた後に、それではここに泊らせてくれと言った。平助はひとり者であるから、たとい盲目でも話し相手の出来たのを喜んで、その晩から自分の小屋に泊らせて、出来るだけの面倒をみてやることにした。こうして、利根の川端の渡し小屋に、老いたる船頭と身許不明の盲人とが、雨のふる夜も風の吹く夜も一緒に寝起きするようになって、ふたりの間はいよいよ打解けたわけであるが、とかくに無口の座頭はあまり多くは語らなかった。勿論、自分の来歴や目的については、堅く口を閉じていた。平助の方でも無理に聞き出そうともしなかった。しいてそれを詮議すれば、彼はきっとここを立去ってしまうであろうと察したからである。
それでも唯一度、なにかの夜話のついでに、平助は彼に訊いたことがあった。
「お前さんはかたき討かえ。」
座頭はいつもの通りにさびしく笑って頭をふった。その問題もそれぎりで消えてしまった。
平助じいさんが彼を引取ったのは、盲人に対する同情から出発していたには相違なかったが、そのほかに幾分かの好奇心も忍んでいたので、彼は同宿者の行動に対してひそかに注意の眼をそそいでいたが、別に変ったこともないようであった。