Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

せいあどうきだん

青蛙堂鬼談

岡本 綺堂

Lisez 青蛙堂鬼談 (せいあどうきだん) de 岡本 綺堂 (おかもときどう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 121 438 caractères · 238 écrans

Aozora Bunko

三月三日でも梅沢君に雛祭りをするような女の子はない。まさかに桜田浪士の追悼会を催すわけでもあるまい。そんなことを考えているうちに、いい塩梅に雪も小降りになって来たらしいので、わたしは思い切って出かけることにした。

午後四時頃からそろそろと出る支度をはじめると、あいにくに雪はまたはげしく降り出して来た。その景色を見てわたしはまた躊躇したが、ええ構わずにゆけと度胸を据えて、とうとう真っ白な道を踏んで出た。小石川の竹早町で電車にわかれて、藤坂を降りる、切支丹坂をのぼる、この雪の日にはかなりに難儀な道中をつづけて、ともかくも青蛙堂まで無事にたどり着くと、もう七、八人の先客があつまっていた。

「それでも皆んな偉いよ。この天気にこの場所じゃあ、せいぜい五、六人だろうと思っていたところが、もう七、八人も来ている。まだ四、五人は来るらしい。どうも案外の盛会になったよ。」と、青蛙堂主人は、ひどく嬉しそうな顔をして私を迎えた。

二階へ案内されて、十畳と八畳をぶちぬきの座敷へ通されて、さて先客の人々を見わたすと、そのなかの三人ほどを除いては、みな私の見識らない人たちばかりであった。