Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ひじょうのあい

非情の愛

豊島 与志雄

Lisez 非情の愛 (ひじょうのあい) de 豊島 与志雄 (とよしまよしお) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 11 831 caractères · 24 écrans

Aozora Bunko

同じような服装で髪をおさげにした童女が一人、室の下手の隅に控えていた。――他にも一人、屈強な男がついて来たが、これは自動車の中に運転手と共に居残って、決して座敷へは通らないそうだった。

美春さんが室の中央に坐っていた。痩せた小柄な女で、病中だと思わせるほど髪の艶がなく、その代りに眼が光り、へんに口が尖って見えた。ずっと下って、身体の不自由らしい白髪の老人がいた。近所の人らしかった。

秦と千枝子とは襖ぎわに控えた。

神子は香を焚いた。

暫く沈黙のあとで、彼女は向き返って言った。

「眼に見えるものを信じなされてはいけませぬ。心に見えるものを信じなされませ。」

澄んで冴えた美声だった。一息おいて、彼女はまた繰り返した。

「眼に見えるものを信じなされてはいけませぬ。心に見えるものを信じなされませ。」

彼女はまた香を焚いた。口から外へ殆んど洩れない声で何か誦した。それが非常に長い時間だと思える頃、卓上に置かれてる如意を取って向き返り、千枝子の前に来た。

「初めてのお方のようでありますが、如意を預かれますか。」

「はい。」と千枝子は躊躇なく答えた。

そして彼女は如意を受取り、それを礼拝して、神子に返した。