Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

すまでらふきん

須磨寺附近

山本 周五郎

Lisez 須磨寺附近 (すまでらふきん) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 10 396 caractères · 21 écrans

Aozora Bunko

けれども清三は康子の白い指を見ながら、もう一度、帰りますと繰返した。

「怒ったの?」

康子が清三の顔を窃むようにして云った、清三は黙って座を立った、清三が外套を着て食堂を出ると、康子も一緒に従いて来た。

「怒ってるの?」

出口のほうへ近づいたときまた康子が云った。清三は静かな廊下の曲角の蔭で不意に立止まると、手を伸ばして女の指を握った、康子の瞳が驚いて男を見た、清三は遁げるように女の前から去った。

家では青木が炬燵に寝そべっていた、青木は、嫂が今日兄貴の上役と交際で芝居を観に行ったと話した。清三は冷えた躯を派手な炬燵蒲団の中に埋めて、やけにがんがんする頭をぐったり垂れた。

そうしているうちに、だんだん落着いてきた清三は、康子の気持が分かるような気がしてきた。とくに二人の食事を、そうした場所へもっていったことも首肯かれた。そして何かもっと大きな事件を期待して行った自分の、軽々しい恋情を見返って苦笑した。

康子の帰りを待たずに清三は二階へ上って寝た、夜中躯が悩ましかった。

四五日後の夕刻二人きりで夕食の膳についたとき、康子がやや強い表情で清三を見ながら、