Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
あごじゅうろうとりものちょう
顎十郎捕物帳
久生 十蘭
Lisez 顎十郎捕物帳 (あごじゅうろうとりものちょう) de 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 13 435 caractères · 27 écrans
小屋の掘立柱は三尺おき、それに竹矢来を組んで蓆を張りつけてある。六兵衛が鯨を小屋に入れるとき、前側と左右だけ丸太を組み、後をあけておいてそこから鯨を運び入れてから本拵えにかかったくらいだから、鯨を持って行くとすれば、どうしたって小屋の一方を毀さなければならぬはず。
ところで、掘立柱はおろか、蓆一枚やぶれていない。鯨が雲散霧消したと思うほかはないのである。
竜の昇天というのは聞くが、鯨の昇天というのはまだ聞かない。なんとも考えようもないことだが、六兵衛としては五百両なげだした大事なネタ。夜のあけるのを待って浅草橋の詰番所へ、恐れながらと訴え出た。
物が物だけに、詰番所の番衆では納まりがつかない。この月は北の月番で、番所からすぐ常盤橋へ訴えをまわす。
伏鐘重三郎を追いまわしてクタクタになったひょろ松が、ちょうど部屋へ引きあげて来たところ。
「なんだって、両国の鯨が盗まれたって、馬鹿にしちゃいけねえ。手前、面を洗ったのか。番所を遊ばせに来ると承知しねえぞ」
番衆は、ヘドモドして、
「じょ、冗談。……朝っぱらから洒落などを言いに来るもンですか、本当のことなンで」