Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
あごじゅうろうとりものちょう
顎十郎捕物帳
久生 十蘭
Lisez 顎十郎捕物帳 (あごじゅうろうとりものちょう) de 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 12 819 caractères · 26 écrans
アコ長も、とど助も驚いて、
「えッ、狸!」
「これは珍だ。かつぐのではなかろうな」
「なんの、本当の話です」
アコ長は、小男を見あげ見おろしながら、
「なるほど、うまく化けるもンだ。ざっと見ても、素ッ堅気の若旦那。どうしたって、狸になんぞ見えやしない」
「お褒めくださらなくてもようございます、このくらいのことなら雑作ないんです」
「器用なものだの。……それで、どんな用件があって、豊島ガ岡へなぞ行くのだ。狸の寄りあいでもあるというわけなのか」
狸は首をふって、
「いいえ、寄りあいというわけじゃありません。実は、所変えをしようと思いまして……」
「なるほど、宿変えをするというのだな」
「さようでございます。……それで、ご親切ついでに、もうひとつ、お願いがあるのでございますが……」
アコ長は、おもしろがって、
「狸とつきあうなんざ、なかなか振っている。乗りかかった船だ。どんなことだか知らないが、出来ることならやってやろう、言って見るがいい」
狸は、嬉しそうに頭をさげて、
「ありがとうございます。……では、ご親切に甘えて申しあげます。ひょっとするとお聞きになったこともおありでしょうが、わたくしは、四国讃岐の禿狸なンでございます」