Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

かぜにのってくるコロポックル

風に乗って来るコロポックル

宮本 百合子

Lisez 風に乗って来るコロポックル (かぜにのってくるコロポックル) de 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 19 458 caractères · 39 écrans

Aozora Bunko

それを見付けた黒が、唸る。

すると、豊坊がワイワイ云いながら、火の付いた枝を黒の鼻先へ押付ける。と、

キャン! と叫んで横飛びに逃げた様子がおかしいと云って、豊坊が転げ廻って笑う。

何がそんなにおかしいか、馬鹿奴、と云いながらイレンカトムの笑いも、ハッハッハッとこぼれ出す。

夜でも昼でも、年寄りの傍には、きっと小さい豊が馳けずり廻っていないことはない。

広い畑に出ているときでも、その附近にはきっと子供と黒がお供をしている。

日が出て、日が沈んで、日が出て日が沈んで、豊坊の身丈はだんだんと延びて行った。

大きくなるに連れて、クサもなおり、艶のいい髪の毛と、大きな美くしい眼と、健康な銅色の皮膚を持った豊坊に対して、イレンカトムは、完く目がなかった。

自分の淋しかった生活の反動と、生れ付きの子煩悩(こぼんのう)とで、女よりももっと女らしい可愛がりかたをするイレンカトムは、豊に対してはほとんど絶対服従である。

強情なのも、意気地ないよりは頼もしいし、口の達者なのも、暴れなのも、何となく、普(なみ)の一生を送る者ではないように思われて楽しい。

彼がそう思っている事を、いつの間にか、本能的に覚っている豊は、イレンカトムに対しては何の憚(はばか)る処もない。