Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ふうちそう

風知草

宮本 百合子

Lisez 風知草 (ふうちそう) de 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 44 107 caractères · 88 écrans

Aozora Bunko

親しい友達がもって来てくれた柄の大きすぎるホームスパンの古服を着て、ひろ子が彼の故郷からリュックに入れて背負って来た靴をはいて、いものやけるのを見ている。無期懲役で網走にやられていた重吉は、十二年ぶりで、十月十日に解放された。いが栗に刈られた重吉の髪は、まだ殆どのびていない。

ひろ子は、元禄袖の羽織に、茶紬のもんぺをはいて、実験用の丸椅子にかけ、コンロの世話をやいていた。

「さあ、もうこれはよくってよ」

「――あまいねえ。ひろ子もたべて御覧」

「網走においもはあったこと?」

「あっちは、じゃがいもだ。農園刑務所だからね、囚人たちでつくっているんだ」

「あなたなんか和裁工でも、じゃがいもぐらいは、たっぷりあがれたの?」

「東京よりはよかったさ。――巣鴨のおしまい頃はひどかったなあ……これっぽっちの飯なんだから。二くち三くちで、もう終りさ」

重吉は網走で、独居囚の労役として、和裁工であった。囚人たちが使ってぼろになったチョッキ、足袋、作業用手套を糸と針とで修繕する仕事であった。朝の食事が終ると、夕飯が配られる迄、その間に僅かの休みが与えられるだけで、やかましい課程がきめられていた。