Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

うえはさいぜんのソースか

飢えは最善のソースか

石川 欣一

Lisez 飢えは最善のソースか (うえはさいぜんのソースか) de 石川 欣一 (いしかわきんいち) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 2 579 caractères · 6 écrans

Aozora Bunko

罐詰類は重いので、せいぜい福神漬か大和煮を、それもたくさんは持っていかず、動物性蛋白質は干鱈だった。飯をたき味噌汁をつくった焚火のおきに、縦半分にさいた干鱈をのせ、アッチアッチと言いながら指でちぎって食うのである。満腹はするがちっともうまくないので、東京へ帰ったら何を食おう、あれを食おうと、第一日の晩から食物の話ばかりで、事実東京へ帰って腹をこわしたりした。それでいて翌年の夏には同じことを繰り返すのだから、山の魅力は大したものである。

いつだったか本格的なアルピニストであるI・A・リチャーズ夫妻と一緒に、後立山を歩いたことがある。籠川を入っていくと松虫草が咲いていた。暑い日で一同かなり参っていたが、リチャーズはこの花を見て、外側に滴が露になってついているカクテル・グラスを思い出し、「初日からそんなことを言い出すとは、out of form だ」と奥さんに叱られた。こうなると英国人も日本人も同じである。ところがこの旅で、番人のいる唯一の小舎に罠でとった兎があり、その肉を持参のバタでいため、はこび上げてあったビールで流し込んだ時、リチャーズはこんなに贅沢な山小舎は世界じゅうにないと感激した。