Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

まと

魔都

久生 十蘭

Lisez 魔都 (まと) de 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 293 999 caractères · 578 écrans

Aozora Bunko

万一の場合をおもんぱかって、真名古に宛てて、自分がこの地下道にいる旨を書きつけ、それをクリップで王様の胸にとめると、ウントコショと引ッ担いで出口の方へ歩き出した。

今度はわけはない。大して迷いもせずに放送局の工事場の口まで来て、闇をすかしながら歩み板の上の方を見上げると、秀陳がトロッコの傍を手持ち無沙汰なようすでウロウロと歩き廻っている。王様を割石の上に転がして置いて、鼻をつまんで、

「おい、秀陳。俺はさんざんに酔ッ払って動けなくなった。さア、早くホテルまで担いで帰ってくれ。何をウロウロしているんだ。早くしないか、この馬鹿野郎が!」

仰天して秀陳が歩み板を駆け降りてくるのを見すますと、自分はまた以前のところへ取ってかえす。もうこれで心残りがない。ひとつ存分に鎌にかけてやろうと、手ぐすねひていると、またどこからともなく先刻の声が漂ってくる。

「王様王様、何をマゴマゴしているんです。私のいうことがわからないんですか。そこにいては危険だというのに。早く、こっちへおいでなさい」

加十は鼻を膨らして出来るだけ王様の声に似せながら、

「おお、私は眠っていたんでした。