Classiques japonais avec furigana
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にしんぎょじょう
鰊漁場
島木 健作
Lisez 鰊漁場 (にしんぎょじょう) de 島木 健作 (しまきけんさく) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 24 483 caractères · 49 écrans
はそこからみんな逃げ出してしまう。それだけに枠網の検査は厳重にしなくてはならぬ、船頭は、「枠網履歴書」を手にし、新調の網をおろしてから今日にいたるまで網の歴史をしらべ、それによって修理箇所をさがして行く。「……コノ日、北風強ク時化トナル。鰊ヲ枠ヘ詰メ終リ小蒸気船ニ曳カシメ××港内ニ避難ス。ソノ際、障害物ノ摩擦ニヨリ舳二反目ヲ約二尺スリキラル。」――「履歴書」にはそんなふうに書いてある。破損箇所を知ると、船頭は漁夫を指揮し、マニラトワイン、南京麻等の新網を入れ替えてゆく。
一方にはまた鰊を陸上げする時に使う畚を作ったり古いのを修理したりしているものがある。ゴロを作っているものがある。生鰊を箱づめにしておくり出す、その箱を作っているものもある。――他の何人かは廊下に水を流し、清掃しはじめた。廊下とは漁舎のことで、鰊を貯蔵するところであり、また鰊をツブす作業場でもある。それがすむと干場の手入れだ。ここはツブした鰊を目刺しにして乾燥するところだ。
翌日、船頭、下船頭は慣れた漁夫十人ほどと二艘の磯舟に分乗して沖合はるかに漕ぎ出して行った。舟には覗眼鏡、探り絲、八尺、それから筵を何枚も縫い合し、それに錘をつけたものや、樹木の枝を数十本束ねて太い縄でしばり上げそれに十貫にあまる石をおもりとして結びつけたものを数箇つみこん