Classiques japonais avec furigana
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なるとひちょう
鳴門秘帖
吉川 英治
Lisez 鳴門秘帖 (なるとひちょう) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 56 957 caractères · 114 écrans
その評判は海の上のことで、まだ怖い江戸城の親玉へまでは知れていねえ話ですから」
「…………」無言でいるうちに、啓之助の色が青くなってきた。この獰猛な男の毒ッ気にあてられたのだ。そして彼は四、五年前にも、新鋭の銃器何千挺を、外船から密輸入した時、その折海の上で働いていた密輸入仲間に甲比丹の三次という名が重きをなしていたことを思いだした。
「もうよけいなおしゃべりは止めましょう。わっしも、楽に食えている身分なら、御無心なぞにゃまいりませんが、去年、住吉村の巣を荒されちまった後、どうも運の悪いことばかりで、食うや食わずの手下が五、六人も、口を開いて待っているんです。どうぞ何とかお助けの方法を講じてやっておくんなさい、でないと、わっしは我慢いたしますが、空ッ腹まぎれに乾分の奴が、御当家のことを、どんなふうに世間へ吹聴するかもしれませんので」
「これこれ三次、貴様は何か思い違いをしているらしい、そりゃ何かの誤聞であろう」
「冗談いっちゃいけません、永年潮風に吹かれている密輸入の三次、海の上のことなら迅風耳だ! じゃ、こんどはお前さんの手相を一つ見てやろう」と、片あぐらを抱えこんだ三次は、テコでも動かぬ面構えをして、啓之助の顔をジッと見ながら、