Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
なるとひちょう
鳴門秘帖
吉川 英治
Lisez 鳴門秘帖 (なるとひちょう) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 56 957 caractères · 114 écrans
周馬もどてらになり、一角もどてらに着かえたが、お十夜は着流しなので、あえてその必要もなく、茶をすすっていると、それを残して、二人はいつのまにか外の温泉につかってきた。
「なかなかいい温泉だ、お十夜も一風呂ザッと浴びてこないか」
「おれは後で行くよ、寝しなに」
膳がくる。蜆汁の椀、鯉のあらい、木の芽田楽、それに酒。
信州路へ入って、鯉の料理にお目にかからない日はないぞ――といいながら、周馬が椀をチュッとすすって、うむ、こいつはいい、諏訪湖の味がするぞという。
このあたりで古い歴史のある俚謡、木曾ぶしの絃歌が、赤く曇った湯気の町にサンザめきだす頃になると、
「どうだ、ひとつよぼうか」
と周馬がぬけめのない提案をもちだすと、「なにを?」と一角が通じない反問をする。
「なにをって、すなわち、唄い女をさ」
返辞をしないで一角は、またのび上がって会田屋の門口を見おろしていた。お十夜は何をおかしく感じたか、周馬の顔をみて苦笑をもらし、それを隠すべく杯をさした。
平凡なる一夜をすごして、翌朝、起きるやいな、見張りを頼んでおいた宿の者をよんで、会田屋の男女が立ったかどうかを問いただすと、まだたしかに落ちついているという返辞。