Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

なるとひちょう

鳴門秘帖

吉川 英治

Lisez 鳴門秘帖 (なるとひちょう) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 56 957 caractères · 114 écrans

Aozora Bunko

若い男で、その婦人の召使であるらしい。

「ま、お内儀様、そう取りつめて、お考えなさるからいけません。阿波へお帰りなさらぬの、死んでしまうなどと、そんなにまで……」

「お前は奉公人だから、そうまでは思うまいが、私にしてみれば、面目なくて、このまま旦那様へは顔が合されません」

「いえ、私もお内儀様についてきながら、こういう大事をひき起こしたのですから、その罪は同じでござります。けれど、お金のことですから、死んでお詫びをしたところで、それが戻るという訳じゃなし」

「でもお前、こんどの掛けは少ないけれど、藍年貢の足しにするお金で、私の戻りを待っている場合じゃないか、それをお前……それをあんな者にゆすり盗られて」

阿波――という言葉がでたのでお綱はそのほうへ耳を澄ました。万吉もどうやら事情があるらしいことと、思わず膝を起こしかける。

けれど源内は、さっきも説いた旅行要心の心得通りに、それを抑え自分の声をひそめてしまった。

あらかた察しがついたので、源内と万吉は相談の上、境の襖をあけて隣り座敷へ入って行った。

途方にくれた様子で、そこにいた内儀と手代風の男は、先頃、和田峠でも人違いをされて、諏訪の会田屋へ逃げこんだ四国屋のお久良と手代の新吉であった。