Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
おうがいのおもいで
鴎外の思い出
小金井 喜美子
Lisez 鴎外の思い出 (おうがいのおもいで) de 小金井 喜美子 (こがねいきみこ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 127 675 caractères · 254 écrans
の人でも皆二、三十年前のものばかりです。その中で私が一番大切に思うのは、兄が小倉や戦地から寄越された長い長い手紙です。小倉在勤は明治三十二年六月から三十五年三月まででしたから、随分古いものなのです。
それらの手紙を、どんなにか忙しい中から書いて下すったのだろうと思うと、当時の私の無遠慮と無智とが顧みられて、顔が赤らみます。その頃は主人の健康も勝れず、子供も四人いまして、前途のこと、経済上のこと、その他何かと心を苦しめていたのでした。思ってはならぬ、いってはならぬと承知していることまでも、子供らの寝静まった夜などに、書きに書いては送ったのでした。読む人が何と思うかなどということは考えもしませんかった。ただ兄に手紙を書くということが、私の慰安なのでした。その寂しさに甘えた心持だったのでしょう。
その頃は森の母も頻りに手紙を書かれたようでした。母は面白い人で、「私は字のお稽古をしないのだから」と、書いたのを決してお見せになりませんでした。小倉との手紙の往復の始ったばかりの頃でしょう。母に向って、「お兄さんは随分だと思うよ。私が送った手紙の仮名遣などを、朱で直して寄越されたのでがっかりした」