Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
おうがいのおもいで
鴎外の思い出
小金井 喜美子
Lisez 鴎外の思い出 (おうがいのおもいで) de 小金井 喜美子 (こがねいきみこ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 127 675 caractères · 254 écrans
父は毎日お邸へ診察に出かけ、後は近所の知り合の病人を見るくらいのものですから、至って暇でしたが、家には庭がないので、好きな土いじりが出来ません。手狭で診察室もないのですから、どこかもう少し広い所をと探して、小梅村の家を見つけたのでした。
その家は五間ぐらいでしたが、庭が広くて正面に松の大木があり、枝垂れた下に雪見灯籠がありました。左と右とにも松があって、それぞれ形の違った石灯籠が置いてありました。それが大変父の気に入ったので、引込み過ぎて不便なのも厭わずそこに極めました。表門の脇には柳の大木があり、裏には梅林もあって、花盛は綺麗でした。後大正六年に兄がその旧宅地を尋ねて見た時に、庭園の形が残っていて、雪見灯籠もまだあった由が日記に見えています。
家の右隣は農家の畑地でした。左隣には大きな池があって、人の鯉屋と呼ぶ家がありました。そこには気の少し変な中老の女がいて、お釜を洗って底の飯粒を寄集めては、「おいしい、おいしい」というのが聞えるということでした。
その頃兄は学校の寄宿舎でしたろう。次兄と私とは小学校で、私はまだ小さかったのですから、寂しい田圃の中の道を通うのに、雨降りの日など、いつも祖母に送ってもらいました。