Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
おうがいのおもいで
鴎外の思い出
小金井 喜美子
Lisez 鴎外の思い出 (おうがいのおもいで) de 小金井 喜美子 (こがねいきみこ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 127 675 caractères · 254 écrans
大賀氏は残念がっていられました。今年などはどうなることでしょう。
その鶏声堂に、中年の女の人が、冬はいつも真綿の背負子を著ていました。不断は何の気も附かない宅の主人が、「あの人は越後ではなかろうか」といいますので、顔馴染になった時聞きましたら、やはりそうでした。近親という事です。それは越後の風習で宅の母なども毎年修繕してつかいました。亀の子笊をふせて幾重ともなく真綿を拡げ、新しいのを上に被せます。よい加減の厚さになると浅葱などに染めたのを上に被せ、薄い布海苔を引きます。染綿は汚目の附かぬため羽織と著物との間に挟んだり上に背負ったりするのに、べたべたせぬために布海苔を引くのです。
私の家は坂を上ったすぐ右手にあって、門の内に幾百年も経たらしい松の大木がありました。そこらは山ででもあったのを崩したのでしょう。太い根がすっかり顕れて、縦横になっていてよい腰掛でした。ここらは皆土井家の地所なので、向い側は広い馬場になっていました。低い土手がずっと廻って、そこにも四、五本松の大木がありました。その土手には春は菫が咲き、土筆などもぽつぽつ出るので、そこらの子供が這い上っては遊びました。