Classiques japonais avec furigana
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おうがいのおもいで
鴎外の思い出
小金井 喜美子
Lisez 鴎外の思い出 (おうがいのおもいで) de 小金井 喜美子 (こがねいきみこ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 127 675 caractères · 254 écrans
その宴のまだ始まらない内に岩佐氏が卒倒せられたので、お兄様が近寄られると、岡玄卿氏が人工呼吸をなさるので、その手伝いをなすったそうですが、ついに逝かれたそうです。岡氏も岩佐氏も侍医で、御陪食に参内せられての出来事でした。そんなお席で、大礼服を召した患者とお医者たちと、どんなでしたろうと思います。
十日が岩佐氏の葬送で、その日には大臣は帰京されたのですが、その後はだんだんと御様子が悪く、熱があるとか、舌根が腫れたとか聞きましたが、四月二日についに薨ぜられました。大臣就任後八カ月ばかりでしたでしょう。
午後一時に逝かれ、三時には聖上から西郷吉義氏を見舞として遣されました。大臣長男、軍医橋本監次郎の二人とともに、お兄様は接見なすったのです。その日の来診者は、青山胤通(東大教授)、本堂恒次郎(陸軍軍医)、岡田和一郎(東大教授)、平井政遒(陸軍軍医)の四人でした。四日には石本邸へ通夜に行き、式場接待掛をせられました。大臣の後任は上原中将です。
月日はただ過ぎゆきます。夫人は御丈夫そうに見受けられ、お子さんも大勢お持ちのようでしたが、暫く立った後に人伝てに聞きましたら、夫人も御主人と同じ病気でお亡くなりになったそうでした。