Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

う

鵜

山本 周五郎

Lisez 鵜 (う) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 18 733 caractères · 38 écrans

Aozora Bunko

そのとき魚が跳ねた。淵から三段ばかり上に棚瀬があり、水が白く泡立って落ちている。魚はその棚瀬で跳ねたらしい。半三郎が眼をやると、また一尾、かなり大きな魚が跳ねて、棚瀬の向うへ姿を消した。

「鮠かな」と彼は云った、「川鱒かもしれない、うん、いるんだな」

半三郎の見込に狂いはなかった。半刻ばかりのあいだに、彼は二尾の大きな鮠と山女魚を三尾あげた。彼は釣りあげた魚をすぐ水に放してしまう、魚を片手でそっと握り、釣鈎を外し、ちょっとその魚の顔を眺めてから、川の中へ投げ返すのであった。

午後四時ごろまでに、半三郎は三十二尾釣って放し、満足して家へ帰った。仲間の段平は、旦那が手ぶらで帰ったので同情した。

「あの川にはいるんですがな」と段平は云った、「きっと場所がいけなかったんですな」

半三郎はなにも云わなかった。

翌日もでかけていった。爼板岩へ腰をおろすとき、彼はまたその岩をそっと叩いた。口ではなにも云わなかったが、いかにも親しげな「よう、きょうだい」とでもいうふうな叩きかたであった。その日は午までに十八尾釣れた。鮠、山女魚、それに鮎もあった。釣鈎を口から外すとき、魚たちは彼の手の中で活き活きと暴れ、渓谷の水の冷たさと、つよい水苔の匂いをふりまいた。