Classiques japonais avec furigana
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ばんがり
鷭狩
泉 鏡花
Lisez 鷭狩 (ばんがり) de 泉 鏡花 (いずみきょうか) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 10 763 caractères · 22 écrans
」
「それは……対手は大紳士だ。」と客は歎息して怯えたように言った。
「ええ、何ですか、貸座敷の御主人なんでございます。」
「貸座敷――女郎屋の亭主かい。おともはざっと幇間だな。」
「あ、当りました、旦那。」
と言ったが、軽く膝で手を拍って、
「ほんに、辻占がよくって、猟のお客様はお喜びでございましょう。」
「お喜びかね。ふう成程――ああ大した勢いだね。おお、この静寂な霜の湖を船で乱して、谺が白山へドーンと響くと、寝ぬくまった目を覚して、蘆の間から美しい紅玉の陽の影を、黒水晶のような羽に鏤めようとする鷭が、一羽ばたりと落ちるんだ。血が、ぽたぽたと流れよう。犬の口へぐたりとはまって、水しぶきの中を、船へ倒れると、ニタニタと笑う貸座敷の亭主の袋へ納まるんだな。」
お澄は白い指を扱きつつ、うっかり聞いて顔を見た。
「――お澄さん、私は折入って姐さんにお願いが一つある。」
客は膝をきめて居直ったのである。
四
渠は稲田雪次郎と言う――宿帳の上を更めて名を言った。画家である。いくたびも生死の境にさまよいながら、今年初めて……東京上野の展覧会――「姐さんは知っているか。