Classiques japonais avec furigana
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まど
鷹野つぎ――人と文学
鷹野 つぎ
Lisez 鷹野つぎ――人と文学 (まど) de 鷹野 つぎ (たかのつぎ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 21 840 caractères · 43 écrans
「附添を置くつもり?」
それに答えなかった。
「置かないでしょ、え?」
「………」
「置くの、置かないの、なぜ黙っているの」
「………」
とうとうまたとよ子の啜り泣きがはじまった。それは病苦の弱りも手伝ってか、この前よりも幾倍も激しく、幾倍も私の心配を唆った。
私はもはやこれまでと、決然となって、看護婦主任を呼ぶ気にもなった。秋草模様のまがいものとも見えぬ肥満の女の帯など見ては、自分とて家族の苦痛を知る身でありながら、義憤もおこらずにいなかった。
私がベッドをおりて、決意を示そうとしていると、おどろいたことにはそこへ主任さんがはいって来た。
主任さんの態度は頗る淡々たるものであった。肥満した女に近づくと、
「あなたは坂上さんの御家族でしたね。再度御通知あげたのに、なんのご相談もないので、病院でも困っておりました。看護婦さんも一般の患者さんのお世話をしていますので、お一人に附ききりというわけには行きませんのです」
肥満した女はおとなしくお辞儀をした、主任さんの公務というものに権威を感じたのであろう。
「そういうわけですから、お判りになったら御承知として、今日夕刻からでも早速附添さんを附けることにします」