Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

おうむぐらかえくびでんせつ

鸚鵡蔵代首伝説

国枝 史郎

Lisez 鸚鵡蔵代首伝説 (おうむぐらかえくびでんせつ) de 国枝 史郎 (くにえだしろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 13 083 caractères · 26 écrans

Aozora Bunko

部屋の中央の辺りに一基の朱塗りの行燈が置いてあって、熟んだ巴旦杏のような色をした燈の光が、畳三枚ぐらいの間を照らしていた。

その光の輪の中に、黒漆ぬりの馬盥が、水を張って据えてあり、その向こう側に、髪を垂髪にし、白布で襷をかけた女が坐っていた。そうして脇下まで捲れた袖から、ヌラヌラと白い腕を現わし、馬盥で、生首を洗っていた。生首はそれ一つだけではなく、その女の左右に、十個ばかりも並んでいた。いずれも男の首で、眼を閉じ、口を結んでいたが、年齢からいえば、七八十歳のもあれば、二三十歳、四五十歳、十五六歳のもあった。首たちは、燈火の輪の中に、一列に、密着して並んでいた。その様子が、まるで、お互い生存ていた頃のことを、回想し合っているかのようであった。光の当たり加減からであろうが、十七八歳の武士の首は、鼻の脇からかけて口の横まで、濃い陰影を、筋のように附けていたので、泣いてでもいるように見えた。

女は、菊弥が入って来て、「あッ」と叫んで、ベッタリ坐っても、しばらくは顔を上げずに、額へパッと髪をかけたまま、馬盥に俯向き、左の手で生首の髻を掴み右の手の鬱金の巾で、その生首を洗っていた。