Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

きりん

麒麟

谷崎 潤一郎

Lisez 麒麟 (きりん) de 谷崎 潤一郎 (たにざきじゅんいちろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 9 040 caractères · 18 écrans

Aozora Bunko

其の人々の顔は饑と疲に羸せ衰え、家々の壁は嗟きと愁しみの色を湛えて居た。其の国の麗しい花は、宮殿の妃の眼を喜ばす為めに移し植えられ、肥えたる豕は、妃の舌を培う為めに召し上げられ、のどかな春の日が、灰色のさびれた街を徒に照らした。そうして、都の中央の丘の上には、五彩の虹を繍い出した宮殿が、血に飽いた猛獣の如くに、屍骸のような街を瞰下して居た。其の宮殿の奥で打ち鳴らす鐘の響は、猛獣の嘯くように国の四方へ轟いた。

「由や、お前にはあの鐘の音がどう聞える。」

と、孔子はまた子路に訊ねた。

「あの鐘の音は、天に訴えるような果敢ない先生の調とも違い、天にうち任せたような自由な林類の歌とも違って、天に背いた歓楽を讃える、恐ろしい意味を歌うて居ります。」

「さもあろう。あれは昔衛の襄公が、国中の財と汗とを絞り取って造らせた、林鐘と云うものじゃ。その鐘が鳴る時は、御苑の林から林へ反響して、あのような物凄い音を出す。また暴政に苛まれた人々の呪と涙とが封じられて居て、あのような恐ろしい音を出す。」

と、孔子が教えた。

衛の君の霊公は、国原を見晴るかす霊台の欄に近く、雲母の硬屏、瑪瑙の榻を運ばせて、青雲の衣を纒い、白霓の裳裾を垂れた夫人の南子と、香の高い秬鬯を酌み交わしながら、深い霞の底に眠る野山の春を眺めて居た。